物質の温度を一定のプログラムによって変化させながら,その物質のある物理的性質を温度の関数として測定する一連の技法の総称(ここで,物質とはその反応生成物も含む)。ICTAC(国際熱分析連合)やJIS(日本工業規格)で前述のように定義されています。
ICTACおよびJISでは測定対象(試料)の温度をプログラム制御させ、測定対象の物理的性質を測定する手法を全て「熱分析」としています。
熱分析とはICTAC(国際熱分析連合)及びJIS(日本工業規格)で上記のように定義されています。
ICTAC、JIS共に、測定対象(試料)の温度をプログラム制御させたときの、試料の物理的性質を測定する手法を全て熱分析の範疇と定義しています。
一般的な熱分析装置は主に下記のブロックで構成されています。
ヒーター、測定対象(試料)設置場所、検出器(センサー)からなり、ヒーターにより試料の加熱や冷却を行い、試料の温度と物理的性質を検出するブロック
設定されたプログラムに従ってヒーターの温度を制御するブロック
検出器やセンサーからの信号を入力して、データ記録から解析までの処理を行うブロック
熱分析は測定対象(試料)のどのような物理的性質を検出するかにより複数の手法が存在して各々技法として定義されている。 特に以下が一般的に用いられる熱分析の代表的な技法です。
測定対象:熱流
試料の比熱変化に伴う熱流差を検出する示差走査熱量測定
試料及び基準物質で構成される試料部の温度を、プログラムによって変化させながら、その試料と基準物質との温度差を試料の熱物性としてとらえ、試料の状態変化による吸熱反応や発熱反応を測定します。
試料の融解、結晶化、ガラス転移、熱硬化反応などの温度、比熱、反応熱量を測定し、熱履歴、純度等の評価にも応用されます。
測定対象:温度差、重量変化
温度差を検出する示差熱分析と重量変化を検出する熱重量測定の同時測定
熱重量測定(TG)は、試料を一定速度で変化させながら、その試料の重量変化を連続的に測定します。示差熱分析(DTA)は、基準物質とともに試料を加熱したときの両者の温度差の変化を測定します。TG-DTAは2つを組み合わせて同時に試料の重量変化と吸熱・発熱反応を測定します。
試料の酸化、熱分解、脱水等による重量変化、耐熱性の評価、反応速度の解析などに広く利用されています。
測定対象:長さ
力学的特性を検出する熱機械測定
試料に一定荷重をかけながら、温度に対する変形を測定します。クリープ測定や周期荷重による動的粘弾性測定にも応用できます。
試料の膨張率、ガラス転移、軟化点の測定などに広く応用されています。
測定対象:弾性率
試料に周期荷重を加えた時の、試料の歪から、動的弾性率、位相差を測定
ポリマー試料のガラス転移、局所モード緩和の温度・周波数依存性から、見かけの活性化エネルギーの算出、マスターカーブ作成等に用いられます。
各種材料の基礎研究や製品開発、製品化での材料選定などの状況において、温度変化により材料の性能や機能などの変化を確認することが大切です。
セイコーフューチャークリエーションではその確認を実現する様々な熱分析を⾏います。