シュウ酸カルシウムの減圧TG-DTA測定
目的 | 減圧下でのシュウ酸カルシウム・水和物の熱分解の測定 |
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手法 | 減圧TG-DTAによる |
結果 | 測定圧力により熱分解挙動が異なることが分かった |
分析事例
シュウ酸カルシウムの減圧TG-DTA測定
- 目的:減圧下でのシュウ酸カルシウム・水和物の熱分解の測定
- 手法:減圧 TG DTA による
- 結果:測定圧力により 熱分解挙動が異なることが分かった
■TG-DTA測定結果
図1.シュウ酸カルシウムのTG-DTA 測定結果
弊社保有のTG-DTAでは、減圧測定が可能です。
ここでは、シュウ酸カルシウム・水和物の熱分解が減圧環境でどのように変化するかを調べました。
シュウ酸カルシウム・水和物は、加熱により 3 段階の重量減少を起こすことが知られています。
また、それぞれの段階での重量減少率も分かっています。
図1で実線が減圧環境 (3Pa)で測定した結果です。点線が大気圧(N2雰囲気)で測定した結果です。
測定結果を比較すると、減圧環境では大気圧と比べ、各段階の終了温度が低温にシフトしていることが分かります。各段階の重量減少率に差はありません。
これは、各段階での反応様式には変化がなく、減圧により発生ガスの拡散速度が上昇したことにより、重量減少が短時間で終了していると考えられます。
■まとめ
- 弊社保有のTG-DTAでは、3Pa程度の減圧測定が可能です。
- この機能を用いて、減圧下での金属試料の熱物性の測定、溶剤を含んだ試料の乾燥条件の検討等にも応用が期待できます 。
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